サイト運営者必見:クレジットマスター攻撃の手口と対策
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クレジットマスター攻撃とは何か?ECサイト運営者が直面する新たなリスク
ECサイトの運営において、売上向上やユーザー体験の最適化は重要な課題ですが、忘れてはならないのが「セキュリティ対策」です。特に、近年増加している「クレジットマスター攻撃」は、多くのECサイトが実際に被害を受けており、深刻なリスクとして認識されています。
この攻撃手法は、特殊なプログラムを使ってクレジットカード情報を割り出し、不正利用されるというもので、被害にあった場合、売上損失にとどまらず、サーバー障害や信用の低下といった深刻な問題につながる可能性があります。
本記事では、クレジットマスター攻撃の仕組みから被害例、そして実践的な対策方法までを分かりやすく解説します。ECサイトを安全に運営するためのヒントとして、ぜひ最後までご覧ください。
クレジットマスター攻撃の実態と対策の全貌
1. クレジットマスター攻撃の仕組みとは?
クレジットマスター攻撃とは、クレジットカード番号やセキュリティコードの構造的な規則性を利用して、有効なカード情報を不正に取得するサイバー攻撃です。以下が主な手口です。
- 攻撃者は、カード番号の一部に存在する規則性(BINコードなど)を利用し、有効な番号を総当たりで生成。
- ECサイトの決済フォームに対して、カード番号・有効期限・セキュリティコードの組み合わせを自動プログラム(bot)で大量に入力。
- 正しい組み合わせが見つかると、それが「有効なカード情報」として不正利用される。
このような攻撃では、1回1回のリクエストは通常の決済に見せかけられているため、表面上は正規のアクセスとして通過しやすいのが厄介な点です。
2. クレジットマスター攻撃による被害とは?
クレジットマスター攻撃が成功すると、次のような被害が発生する可能性があります。
- ECサイトの停止:1秒間に数百〜数千件のリクエストが殺到し、サーバーに大きな負荷がかかり障害が発生。
- 承認率の低下:不正アクセスが多発すると、カード会社からの承認が下りにくくなり、正規ユーザーの決済にも悪影響。
- クレジットカード契約の見直し:被害が深刻な場合、カード会社からの信頼が低下し、手数料アップや契約停止の可能性も。
- 売上機会の喪失:決済手段が停止すれば、当然売上にも影響します。
特に、「セキュリティ対策が甘いサイト」という印象がついてしまうと、長期的な信頼の損失にもつながります。
3. クレジットマスター攻撃への具体的な対策
では、ECサイト運営者はどのように対策を講じればよいのでしょうか?以下に、実効性の高い対策を紹介します。
① 本人認証の強化:3Dセキュアの導入
現在、最も効果的な対策の一つとされているのが、「3Dセキュア(特にEMV 3-Dセキュア 2.0)」の導入です。
特徴:
- ワンタイムパスワードや生体認証を使い、ユーザー本人であることを確認。
- 不正利用の疑いがある取引に対してのみ追加認証を要求する仕組み。
導入の背景:
- 経済産業省は、2025年3月までにすべてのECサイトに3Dセキュアの導入を推奨。
- カード会社や決済代行業者も、3Dセキュア未対応のサイトには厳しい対応を行う傾向に。
② botによる大量アクセスの遮断
具体的対策:
- reCAPTCHAの導入:botによる自動入力をブロック。
- 入力試行回数の制限:一定回数以上のエラーでアクセス制限を実施。
- Web Application Firewall(WAF)の設定:不正パターンの通信を自動検知・遮断。
コードサンプル(reCAPTCHA導入例):
<form action="submit.php" method="POST">
<!-- フォームの内容 -->
<div class="g-recaptcha" data-sitekey="あなたのサイトキー"></div>
<input type="submit" value="送信">
</form>
<script src="https://www.google.com/recaptcha/api.js" async defer></script>
③ AIによる不正検知の活用
- SBペイメントサービスのAI不正検知のように、異常な決済挙動をリアルタイムで検知。
- 一定のルールに従って、不審な取引を自動的にブロック。
④ その他のセキュリティ対策
- 信用照会の徹底:カード会社との連携を強化し、不審な取引に即対応。
- 購入処理の一時停止:短期間に複数回の失敗があるアカウントは一時的に制限。
- ECプラットフォームのセキュリティガイドライン(IPAなど)の活用。
4. 消費者ができる対策
攻撃の主なターゲットはECサイトですが、消費者自身も対策を講じる必要があります。
- クレジットカードの利用明細をこまめにチェック。
- 不審な取引を見つけたら即時カード会社へ連絡。
- 可能であれば、3Dセキュア対応のカードやサービスを利用。
クレジットマスター攻撃からECサイトを守るために
クレジットマスター攻撃は、技術的な巧妙さと被害の大きさから、ECサイトにとって重大なリスクです。特に、攻撃に利用されるbotやツールは日々進化しており、単なるパスワードやセキュリティコードだけでは防ぎきれないケースも増えています。
本記事で紹介した3Dセキュアの導入、bot対策、AI検知などの多層的なセキュリティ対策は、ECサイト運営者が講じるべき必須の施策です。
また、消費者側の意識向上も大きな助けになります。今後さらに進むEC化社会において、信頼されるECサイトを構築・運営するために、早めの対策を進めていきましょう。
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